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第5回まち中つながる展覧会 コラム

〈まち中〉ならではの変化と〝つながる〟

抽象の持つ自由を
様々な角度から感じながら
庭の緑も2階も含めて楽しんでみては

豊島区・要町にある古民家カフェ「藤香想」さんでの展示内容が、お店の意向もあって拡大、“個展”という形態になった。
同処は5月31日までの「第13回新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館」会期中は、〈まち中〉では「島Caféしまや」さんで展示されているNAMIさんの展示を行っていた。展示入れ替えの際に、作家さんがよろしければとお話をいただき、〈まち中〉展示が決まっていた石黒さんに相談したところ、それではということで実施へ。

「石黒涼子展―音楽と美術をつなげる虹」(会期:6月11日:月〜7月1日:日)で展覧できる作品は抽象絵画が中心。
現在女子美術大学短期大学部に通う彼女自身が、音楽と絵画の〝つながる〟に取り組んだ新作含めた作品群は、メニューに挟んだ(持ち帰り可)ストーリーによって、判りやすく近づきやすい展示になっている。2階にもある作品も見逃さないで欲しい。

――子どもの頃からを少し訊いてもいいですか?
幼稚園の頃は走り回ったりもしつつ、気づいたら枝を持って地面に絵を描いたりしていました。描くのが好きです。両親ふくめ周囲の環境が好きなことを続ける、それは応援してくれるとかではないんですが、続けさせてくれているので今も絵を描いています。

――今回展示されている抽象・具象以外にも版画など様々な表現(アウトプット)に取り組んでいますよね?
表現については、まだ若いので探っている という言い方も一般的にはあると思いますが、わたしは「(誰も)見たこと無いものが見たい」という気持ちを表現しようとしているので、そうなっているのかなと。

――自分の気持ちを込めて作品を描くことについてもう少し
発想は、メルマガみたいにいっぱい頭にピンとくることがあると思うんです。わたしはその中から重要だと思うものだけ選んで、これと感じたものを絵に描いています。
絵を描くことは飽きないです!

  *    *    *

大学に通う前は西池袋にある「すいどーばた美術研究所」に通っていた石黒さんは、その頃から今は3年め、区内に住んで創作活動をしている。
今回の展示にあたって「藤香想」のそばには「すずめが丘アトリエ村」(要町1丁目31付近)があったこと、「回遊美術館」に付く「池袋モンパルナス」のことを知って、アートにゆかりのある処に住んでいた驚きと偶然の嬉しさにインスパイアされて「音楽を感じてもらう」作品を創作したくなったとも言っていた。
話を訊いてみて、日常・空間を含めて作品を作るための泉はいたるところにある、と教えられた。観る側も作品を自由に、藤香想さんは、お食事も美味しいので、鑑賞する時間や気分によって変わる抽象表現を楽しんでみてほしい。

〈展示作品〉
『夜の女王のアリア』モーツァルト「魔笛」より/F8号
『主よ、人の望みの喜びよ』J.Sバッハ「心と口と行いと生活で」より/F8号
『モルダヴ』スメタナ「我が祖国」より/F10号
『愛の修練もて』J.Sバッハ「結婚カンタータ」より/F10号
『情熱大陸』葉加瀬太郎より/F50号
『SOUL』/ハガキ大
『想起』/SM号
『純潔』/F10号
『晴れ舞台』/S8号
『人魚姫の千秋楽』/S8号
『平成終われど続く時代』/F50号